今回は危険物甲種のおすすめの試験対策について投稿していきます。
(先日、合格することができました!)
初めに断っておきますが、この記事では具体的試験内容の解説はしません。
私が行った対策と紹介したい勉強法のコツを投稿します。
甲種の難易度
巷では難しいという声も多いけど、、、
結論から述べますと、偏差値50以上の理系大学卒の方や高校化学が普通にできる方にとっては試験内容自体は決して難しくはありません。
ただ、扱う危険物の範囲が広いので暗記量が多く、大変な試験にはなります。
文系出身者でも十分合格は可能だと思いますが、一部、物理化学の知識が必要な分野がありますので苦戦を強いられることにはなると思います。
これらは合格率が例年平均約30〜40%という数値にも表れていると思います。
どれだけ暗記の時間を日々の生活の中から抽出し、覚えられるかがこの試験では勝負かと思います。
言い換えれば、地頭の良さはあまり関係のない試験とも言えます。
試験の構成
①法令 15問
②物理化学 10問
③性質/消火 20問
制限時間は2時間半で全てマークシート形式です。
そのため、見直しまで含めても時間は余裕です。
合格ライン
それぞれ60%以上で合格です。
単純に計算すると、
①法令 9/15問
②物理化学 6/10問
③性質/消火 12/20問
これだけ正解すれば良いことになります。
逆に考えれば、各分野それぞれ何題かは不正解でも良い仕組みになっていると言えます。
こう考えれば少しは気が楽になりますかね?
試験内容の概要
1、法令
文字通りです。
範囲が広く大変ですが、丸暗記すれば対応できるので、法令は地頭の良し悪しや過去の経歴は一切関係ないと断言できます。
2、物理化学
おそらく最も多くの受験者を苦しめるのがこの分野です。
化学基礎(高校レベル)の知識が問われます。
乙種よりは難易度が上がります。
正直、基礎化学全般と言ってしまえばそれまでで、対策は最もし難い分野とも言えます。
他の二分野と異なり、丸暗記だけでは対応できません。
計算問題や化学反応式関連の問題もあり、特に文系出身者にはかなりキツい分野になると思います。
3、性質/消火
各物質の性質と各々の消火法方法についての問題です。
こちらも法令と同様で暗記できれば問題ないが、範囲が広い。
物質によっては引火点や発火点の数値まで覚えなければならない。
過去問(例題集)とテキスト
過去問(例題集)
まず、下記、全国危険物安全協会の例題集は必須です。
なぜなら、全く同じ問題が毎回この中から数題出題されるからです。
買わない理由はありません。
ただ、欠点として解説がありませんので解法が分からなければ、自分でネットなどで調べなければなりません。
購入手段
消防署の担当窓口で買えます。
書店では買えません。
安全協会のホームページからもネット購入できるみたいですが、注文から自身の手元に届くまで10日程かかる様です。
一冊1500円
テキスト
知識レベルや確保できる時間によってテキストは選ぶ
ある程度基礎化学の知識がある方は、上記と同様の全国危険物安全協会のテキストのみで対応できると思います。
試験範囲全て網羅しています。
購入手段は同じです。
各1400円です。
注意したいのが物理化学で、一部解説が簡単すぎて、基礎に不安がある方にとってはわかり難いかもしれません。
一通り読んで分からなければ、他の参考書を各自準備した方が良いと感じました。
ただ、一般のテキストは合格ラインをクリアすることに重きを置いているので、全ての範囲を網羅していません。
そのため、余程時間に余裕のない方以外は必ず協会のテキストを購入することをオススメします。
注意!
テキストはいづれも古本屋で購入することはオススメできません。
法令は年々改定されており、若干ですが変更になっている場合があります。
必ず最新版を準備しましょう。
攻略法
とにかく出題範囲が広く覚えることが多いので大変だと思います。
ですが、攻略法はあります。
潔く捨てる分野を決める
各分野最低6割取れば良いので、何題か間違えても合格できます。
そのため、最初から捨てる分野を決めるのもありだと思います。
以下、個人的に捨てても良いと思われる分野をいくつか挙げます。
ただし、全部捨てたら他の問題を全て正解しなればならなくなりますので、各部門1つか2つにすることをオススメします。
①法令
何にせよ丸暗記しなければならない、、、
負荷を低減するためにも戦略的に学習していきたい分野です。
1、政令別表第三
指定数量を類ごとに暗記しなければなりません。
完全に数字の丸暗記なので、ここが一番キツい。
→正直、出題されても最大2問なので試験に合格することだけを考えれば、捨てるのもありだと思います。
2、危険物保安監督者選任義務対象物
各危険物施設で危険物毎に指定数量や引火点によって選任するかどうか定まっています。
ここはとにかく覚え難くて苦戦を強いられ、かなりの時間を消費します。
→一題出題されるかどうかなので捨てるのもありです。
ちなみに私はどうしても覚えることができず捨てました(笑)
3、危険物施設の構造
各施設の屋根や床、壁はそれぞれ耐火構造や不燃材料などで造らなければなりません。
これがまた、各施設毎にバラバラでとにかく覚えにくい、、、
中には準耐火構造や〇〇または〇〇などもあり丸暗記がキツい。
→ここも一題出題されるかどうかなので捨てるはありです。
②物理化学
正直、この部門では4問しか間違えられないのであまり捨てる分野を作ることはオススメできません。
あえて挙げるのならば、金属のイオン化傾向とそれに関連した電池関連の分野だと思います。
イオン化傾向の暗記に始まり、電池の種類や仕組み、反応式など覚えることが多く、理解に時間がかかる分野となっているためです。
→出題されたとしても1題のみです。まあ、コスパの観点からですね。
出題されない分野を見極める
③性質/消火
この分野は捨てるというより、出題されない部分がありますのでその部分を省いて効率よく学習することが大切です。
1、性質
各物質の特徴的な化学反応式は書ける様になる必要はありません。
最低限、何と反応して何が生成するか分かればOKです。
2、消火
消火器本体の細かい仕組みや原理は出題されません。
学習方法
試験範囲がとにかく広いのでまずは高確率で出題される分野を押さえます。
最初に例題集を一通り解く→該当箇所をテキストで理解する
この流れです。最初からテキストを熟読してしまうと効率が悪すぎます。
まあ、一般的な資格試験対策と同じです。
学習順序
正直、化学基礎の有無で大きく変わってくると思います。
また、なるべく記憶として残りやすい学習順序を心がけましょう。
繰り返し学習することは大事ですが、限られた時間で合格するためにも一度覚えた内容を忘れ、再度、覚え直すことになる事態は避けたいものです。
基礎がある方
消火→性質→(物理化学→)法令
物理化学は化学で大学受験を経験している方なら正直、何も対策しなくても解けます。
しなくても良いくらいです。
法令は完全に丸暗記なので試験直前が良いでしょう。
早めに覚えてもどうせ忘れます。時間の無駄です。
文系出身者や化学基礎に不安のある方
物理化学→消火→性質→法令
物理化学は初めは苦戦するかもしれませんが、丸暗記分野では無いので、一度理解してしまえば記憶として定着し易く、他の二分野とくらべて忘れ難いです。
消火の原理を理解してから物質の性質を学んだ方が、より各物質の性質と消火方法の繫りを理解し易く記憶として残り易くなります。
法令に関しては上記同様です。
注意点
サブノート作りは危険
学習を始めればすぐに気づくとは思いますが、最初からノートにまとめるという行為は絶対に止めましょう。
試験までに間に合わなくなります。
あくまで、どうしても覚えられない内容のみ書き出すようにしましょう。
その他、学習のコツ
一覧表を作る
①各物質の色や引火点、発火点
②各危険物施設の指定倍数、構造上の材質
③各書類の届け先、期限
上記は完全に丸暗記分野で数字暗記です。
一覧表を作ると映像として頭に残り易くなります。
まとめ
冒頭でも述べましたが、この試験は基本的に丸暗記で何とかなります。
対策やテクニックをご紹介しましたが、後はどれだけ勉強時間を確保できるかに掛かっています。
一回覚えた事柄を如何にして、忘れずに記憶として定着させることができるかがカギです。
最後に
危険物甲種試験は取得すると周りの見る目が変わります。
国家試験ですし、生半可な知識レベルでは受からないからです。
何より、自分に自信に自信が付きます。
企業によっては資格手当で給料が上がる所もあるでしょう。
良いこと尽くめです。
皆さんの健闘を祈ります!
、、、